bulk RNA-seq (mRNA-seq) では細胞の平均化された遺伝子発現を解析するため、複雑な細胞機能の詳細な情報が失われてしまします。
『シングルセル 3'RNA-seq』では各細胞に固有に発現している遺伝子発現を解析するため、個々の細胞機能の情報を得ることが可能となります。
これによって、組織の不均一性を詳細に理解することができ、また疾患や発生などに大きな影響を与える希少な細胞型の存在を明らかにすることができます。
弊社ではシングルセル解析のゴールドスタンダードである10x Genomics社のプラットフォームをご提供しております。
データ解析では、Cell Rangerで一次解析、Rを使用したSeuratで二次解析を実施します。
一次解析では、Loupe Browserでご覧いただけるカウントデータ (clopeファイル) を納品いたします。
二次解析では、死細胞やダブレットをフィルタリングし、遺伝子発現パターンの抽出をし、10パターンの解像度でクラスタリングした上でUMAPで可視化するメガクラスター解析、
データベースにまとめられた細胞種のマーカーやカスタムで作成した細胞腫のマーカーのクラスターごとに機能を予測する細胞種のアノテーション付与や
Pseudo Bulk解析、擬似時間軸解析、細胞間のインタラクトーム解析などもご提供いたします。
その他公共データと組み合わせた統合解析や指定の図版作成などのオーダーメード解析も承っております。

シングルセル解析において品質の良いデータを得るためには、細胞調製の工程が非常に重要となります。コストに見合う試験結果をご提供できるよう、必要に応じてご依頼前に試験サンプルに関してインタビューを行い、品質の良いデータを得るための条件検討サポートを標準サービスとして実施しています。

条件検討サポート前の細胞写真

当社サポート後の細胞写真
さらに、シングルセル解析では細胞一つ一つに対しシーケンスデータが得られるため、バルク解析に比べデータ構造は巨大かつ複雑になります。そのため、データ処理、解析には多大な解析リソースが必要となります。
当社では、細胞調製における条件検討のサポートや、カウンセリングに基づいたカスタム性の高いシングルセル解析プロセスの構築、論文作成を視野に入れた図版作成など、柔軟な研究支援を行い、お客様の研究プロジェクトにおけるシングルセル解析の威力を最大化します。
シングルセルレベルで解析する意義
- 1.細胞の分類:データをもとにした分類で細胞集団の内訳の把握
- 2.細胞集団の比較:細胞集団間の差異、機能的特徴の発見
- 3.新しい細胞集団の発見:細胞亜集団の発見・機能解析によるバイオマーカー・創薬標的の発見
- 4.細胞決定の道筋をたどる:擬似的な時間軸の発見・細胞運命分岐の発見