bulk RNA-seq (mRNA-seq) では細胞の平均化された遺伝子発現を解析するため、複雑な細胞機能の詳細な情報が失われてしまいます。
『シングルセル 3'RNA-seq』では各細胞に固有に発現している遺伝子発現を解析するため、個々の細胞機能の情報を得ることが可能となります。
これによって、組織の不均一性を詳細に理解することができ、また疾患や発生などに大きな影響を与える希少な細胞型の存在を明らかにすることができます。
弊社ではシングルセル解析のゴールドスタンダードである10x Genomics社のプラットフォームをご提供しております。
また、細胞単離が難しいサンプルについては、核を用いたシングルセル解析にも対応しております。
凍結組織や脳・神経組織、脂肪組織、筋肉組織など、細胞の単離が困難なサンプルについても、核抽出の事前検討から解析まで一貫してサポートいたします。
サンプルの種類や状態に応じて複数の核抽出プロトコルをご用意しており、最適な抽出条件の検討からライブラリー調製、解析まで対応可能です。事前のサンプル評価や条件検討についても承っておりますので、核を用いた解析をご検討の場合は、お気軽にご相談ください。
さらに、お客様の解析ニーズに応じて、「On Chip Multiplex(OCM)」を用いたライブラリー調製にも対応しております。
OCMでは、複数のサンプルを1つの反応系で処理し、解析後にサンプルごとのデータを分離することで、シングルセル解析にかかるコストを抑えることが可能です。
1反応あたり最大4サンプル、合計20,000細胞(1ウェルあたり最大5,000細胞)まで対応しており、4ウェル分を1反応としてまとめて処理できます。
複数サンプルを同時に処理することで、試薬やチップなどの消耗品にかかるコストを削減し、1サンプルあたりの解析費用を抑えることが可能です。
特に、複数の実験条件や生物学的反復を含む研究など、多検体のシングルセル解析を効率的かつ低コストで実施したい場合におすすめの手法です。
| パターン | サンプル構成 | 合計細胞数 |
|---|---|---|
| 解析例①:4サンプルでの解析 | A・B・C・D:各5,000細胞 | 20,000細胞 |
| 解析例②:3サンプルでの解析 | A:10,000細胞 / B・C:各5,000細胞 | 20,000細胞 |
| 解析例③:2サンプルでの解析 | A・B:各10,000細胞 | 20,000細胞 |
データ解析では、Cell Rangerで一次解析、Rを使用したSeuratで二次解析を実施します。 一次解析では、Loupe Browserでご覧いただけるカウントデータ (clopeファイル) を納品いたします。 二次解析では、死細胞やダブレットをフィルタリングし、遺伝子発現パターンの抽出をし、10パターンの解像度でクラスタリングした上でUMAPで可視化するクラスター解析、 データベースにまとめられた細胞種のマーカーやカスタムで作成した細胞腫のマーカーのクラスターごとに機能を予測する細胞種のアノテーション付与、 擬似時間軸解析や細胞間のインタラクトーム解析などもご提供いたします。 その他公共データと組み合わせた統合解析や指定の図版作成などのオーダーメード解析も承っております。
シングルセル解析において品質の良いデータを得るためには、細胞調製の工程が非常に重要となります。コストに見合う試験結果をご提供できるよう、必要に応じてご依頼前に試験サンプルに関してインタビューを行い、品質の良いデータを得るための条件検討サポートを標準サービスとして実施しています。
条件検討サポート前の細胞写真
当社サポート後の細胞写真
さらに、シングルセル解析では細胞一つ一つに対しシーケンスデータが得られるため、バルク解析に比べデータ構造は巨大かつ複雑になります。そのため、データ処理、解析には多大な解析リソースが必要となります。
当社では、細胞調製における条件検討のサポートや、カウンセリングに基づいたカスタム性の高いシングルセル解析プロセスの構築、論文作成を視野に入れた図版作成など、柔軟な研究支援を行い、お客様の研究プロジェクトにおけるシングルセル解析の威力を最大化します。
シングルセルレベルで解析する意義
- 1.細胞の分類:データをもとにした分類で細胞集団の内訳の把握
- 2.細胞集団の比較:細胞集団間の差異、機能的特徴の発見
- 3.新しい細胞集団の発見:細胞亜集団の発見・機能解析によるバイオマーカー・創薬標的の発見
- 4.細胞決定の道筋をたどる:擬似的な時間軸の発見・細胞運命分岐の発見