『ATAC-seq(Assay for Transposase-Accessible Chromatin Sequencing)』は、オープンクロマチン領域、すなわちヌクレオソームのない領域の分布を網羅的に解析する手法です。
オープンクロマチン領域は、プロモーターやエンハンサーといった遺伝子発現制御領域に対応するもので、エピゲノムの骨格を調べる解析と言えます。ATAC-seqはオープンクロマチン領域の断片化とシーケンスライブラリー調製を同時に実施するため、用いる細胞数が少なくて済む上に、特定の抗体を使用しないため幅広い生物種で解析を実施できます。

ATAC-seqの利用用途 (ChIP-seqとの違い)
ATAC-seqの利用用途
注目したい細胞変化に関わる転写因子やヒストン修飾の探索に有効
- 細胞の遺伝子発現を制御する転写因子を予測したい
- 細胞に特異的なエンハンサー領域を予測したい
- 細胞状態の維持・変化に繋がるエピゲノム制御の機序を予測したい
ChIP-seqの利用用途
特定の転写因子やヒストン修飾に興味が定まっている場合に有効
- ゲノム上の転写因子やヒストン修飾の標的を捕捉したい
- 疾患や細胞変化に関連する重要な転写因子やヒストン修飾を定義したい