bulk RNA-seq (mRNA-seq) では細胞の平均化された遺伝子発現を解析するため、複雑な細胞機能の詳細な情報が失われてしまいます。
『シングルセル遺伝子発現Flex』では各細胞に固有に発現している遺伝子発現を解析するため、個々の細胞機能の情報を得ることが可能となります。
これによって、組織の不均一性を詳細に理解することができ、また疾患や発生などに大きな影響を与える希少な細胞型の存在を明らかにすることができます。
弊社ではシングルセル解析のゴールドスタンダードである10x Genomics社のプラットフォームをご提供しております。
『シングルセル遺伝子発現Flex』はプローブベースで遺伝子発現を捉えています。
ヒトは18,000以上、マウスは19,000以上の遺伝子をカバーしており、ほぼ全トランスクリプトームを網羅しています。
また固定サンプルを用いて解析をするため、保存サンプルでも解析に使用することが可能となっております。
さらにサンプルのマルチプレックスが可能なため、1サンプルあたりの価格を抑えることができ、コストパフォーマンスに優れたアッセイとなっております。
データ解析では、Cell Rangerで一次解析、Rを使用したSeuratで二次解析を実施します。
一次解析では、Loupe Browserでご覧いただけるカウントデータ (clopeファイル) を納品いたします。
二次解析では、死細胞やダブレットをフィルタリングし、遺伝子発現パターンの抽出をし、10パターンの解像度でクラスタリングした上でUMAPで可視化するクラスター解析、
データベースにまとめられた細胞種のマーカーやカスタムで作成した細胞腫のマーカーのクラスターごとに機能を予測する細胞種のアノテーション付与、
擬似時間軸解析や細胞間のインタラクトーム解析などもご提供いたします。
その他公共データと組み合わせた統合解析や指定の図版作成などのオーダーメード解析も承っております。
シングルセル解析において品質の良いデータを得るためには、細胞調製の工程が非常に重要となります。当社ではお客様のサンプルの状態に合わせて、凍結細胞、凍結組織をお預かりし、サンプルの固定/細胞分散から承っています。また細胞/組織の固定試薬をお送りし、お客様のお手元で固定をしたサンプルの解析も可能となっております。
当社では、細胞調製における条件検討のサポートや、カウンセリングに基づいたカスタム性の高いシングルセル解析プロセスの構築、論文作成を視野に入れた図版作成など、柔軟な研究支援を行い、お客様の研究プロジェクトにおけるシングルセル解析の威力を最大化します。
シングルセルレベルで解析する意義
- 1.細胞の分類:データをもとにした分類で細胞集団の内訳の把握
- 2.細胞集団の比較:細胞集団間の差異、機能的特徴の発見
- 3.新しい細胞集団の発見:細胞亜集団の発見・機能解析によるバイオマーカー・創薬標的の発見
- 4.細胞決定の道筋をたどる:擬似的な時間軸の発見・細胞運命分岐の発見