シングルセル/シングル核 RNA-seq
(Single cell RNA-seq / Single nuclei RNA-seq)
シングルセルレベルで遺伝子発現を網羅的に解析します。組織(バルク)での解析では、個々の細胞の転写産物が混ぜ合わされ、構成細胞の平均値が結果として現れます。一方、シングルセル解析では組織を構成する細胞一つ一つについて解析することで、より多くの情報を得られます。
シングルセル解析において品質の良いデータを得るためには、細胞調製の工程が非常に重要となります。コストに見合う試験結果をご提供できるよう、必要に応じてご依頼前に試験サンプルに関してインタビューを行い、品質の良いデータを得るための条件検討サポートを標準サービスとして実施しています。
さらに、シングルセル解析では細胞ひとつひとつに対しシーケンスデータが得られるため、バルク解析に比べデータ構造は巨大かつ複雑になります。そのため、データ処理、解析には多大な解析リソースが必要となります。
当社では、細胞調製における条件検討のサポートや、カウンセリングに基づいたカスタム性の高いシングルセル解析プロセスの構築、論文作成を視野に入れた図版作成など、柔軟な研究支援を行ない、お客様の研究プロジェクトにおけるシングルセル解析の威力を最大化します。
生データプラン価格(データ取得のみ)
安心の国内ライブラリー調製
受入サンプル | 標準リード数/1検体 | 価格/1検体(税抜) | |
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シングルセル3’RNA-seq | 凍結細胞・生細胞(出張相談可) | 4億ペアリード/1検体 | お問い合わせ |
シングル核3’RNA-seq | 凍結組織・凍結細胞 | 4億ペアリード/1検体 | お問い合わせ |
サービスプラン

シングルセル解析のポイント
1.細胞の分類 ーデータをもとにした分類で細胞集団の内訳の把握
2.遺伝子発現の違いを通じた細胞集団の比較 ー細胞集団間の差異、機能的特徴の発見
3.新しい細胞集団の発見 ー細胞亜集団の発見・機能解析によるバイオマーカー・創薬標的の発見
4.細胞決定の道筋をたどる ー遺伝子発現変化による疑似的な時間軸の発見・細胞運命分岐の発見
シングルセル解析の流れの一例
<解析手順の一例>
(1) 細胞データの確認
シングルセルRNA-seq解析データから、検出遺伝子数やRNA分子数、ミトコンドリアRNA量などを確認し、それぞれの細胞の中でライブラリーが適切に作られているものを選びます(データのフィルタリング)。
(2) 標準化とスケーリング
選別された信頼性の高い細胞集団データを使って、発現変動遺伝子を抽出し、これをクラスタリングに利用します。
(3) クラスタリングと次元圧縮
シングルセルデータは多くの細胞データを含むため、PCAなどでは多くの次元に分かれます。あまりにもデータが多く複雑なので、情報をできるだけ多く利用するために「次元圧縮」を行います。
(4) 細胞特徴の抽出
作られたクラスタリング結果から細胞集団ごとの特徴を確認します。統計処理により各細胞集団の主要な発現遺伝子(マーカー遺伝子)を検出することで、それぞれの細胞集団の機能の違いがわかります。さらに、個々の遺伝子の発現レベルの可視化により、集団全体で発現変動する遺伝子や集団の一部で発現変動をしている遺伝子などを確認できます。
(5) 細胞特徴の比較
2種類以上のサンプル(コントロール群と試験群)を同時に解析することで、同じ細胞集団の中の微細な変化を比較できます。シングルセルRNA-seq解析は臨床サンプルの比較にも非常に効果的です