株式会社Rhelixaと国立遺伝学研究所との「包括的連携活動にかかる協定」締結および、遺伝研スパコンにおける「Rhelixa RNA-seqパイプライン」提供について

プレスリリース

令和2年10月7日(水)
株式会社Rhelixa
情報・システム研究機構 国立遺伝学研究所

株式会社Rhelixaと国立遺伝学研究所との「包括的連携活動にかかる協定」締結および、遺伝研スパコンにおける「Rhelixa RNA-seqパイプライン」提供について

株式会社Rhelixa(本社:東京都千代田区 代表取締役:松野 智行)以下、「Rhelixa」)と大学共同利用機関法人 情報・システム研究機構 国立遺伝学研究所(所在地:静岡県三島市 所長:花岡文雄 以下、「遺伝研」)は、共同研究開発や研究・人材交流等、相互協力が可能な分野において、連携・協力を効果的に実施するため、「包括的連携活動にかかる協定」を2020年1月に締結しました。
この度、本連携活動の一環として、Rhelixaの提供するRNA-seq※1解析パイプラインが遺伝研のスーパーコンピュータシステムに実装されましたのでお知らせします。

【解析パイプラインの概要】
本パイプラインは、RNA-seqアプリケーションにより得られた単一サンプルのシーケンスリードデータを参照ゲノムにマッピングし、遺伝子領域ごとに集計し、全遺伝子の発現量を計算するものです。

本パイプラインにおいては、簡便なコマンドライン操作により、以下の処理を一括で実行できます。
FastQC: fastqファイルに含まれるシーケンスリードのクオリティを評価します。
Trimmomatic: クオリティ情報に基づきfastqファイルのトリミングを行います。
RSeQC: fastqファイルよりライブラリのストランド情報を取得します。
Hisat2: fastqファイルに含まれるシーケンスリードを参照ゲノム※2にマップします。
Samtools: マップ後に得られるsamファイルをbamファイルに変換します。
featureCounts: 遺伝子ごとにマップされたリードのカウントを計算します。

【解析パイプラインの利用方法】
遺伝研スーパーコンピュータシステムの利用者は本パイプラインを無償で利用することが可能です。

【遺伝研スパコン】
遺伝研は、国際塩基配列データベース(INSD)構築および全国の研究者に計算基盤資源を提供するため、スーパーコンピュータ(遺伝研スパコン)を運用しています。生命科学研究に特化した解析環境や充実した公共データの提供が特徴で、2020年4月にはシステムを増強、計算ノードの総コア数が11,696コアから15,280コアに増加しました。国内の研究者からのユーザ登録を随時受け付けており、ディスク容量が30TB以下ならば無料で利用可能です。大規模ユーザにはディスク容量に基づく課金の他、計算ノードを有償で専有するオプションも用意しています。 
遺伝研スパコンHP https://sc.ddbj.nig.ac.jp/ja

<用語の説明>
※1:RNA-seq:次世代シーケンサーを用いた遺伝子発現の網羅的解析手法です。特定のRNA配列をキャプチャーするマイクロアレイとは異なり、RNA-seqは全長の転写産物を検出することができます。全長の転写産物全体を調べることで未知のmRNAアイソフォームやスプライシングを含めた多くのRNA情報を得られる方法として、汎用性が高く、比較可能な公共データが豊富に存在することから、特定の組織・細胞における遺伝子プロファイルの同定や、特異的に発現が変動する遺伝子の絞り込みにおいて、幅広い研究分野で利用されています。

※2:参照ゲノムはヒト(hg19、hg38)およびマウス(mm9、mm10)のみ対応しております。

<参考情報>
■ 株式会社Rhelixa(レリクサ)について
当社はエピゲノム網羅解析の先端技術を活用し、生物学・医学・薬学領域における基礎研究や製品・ソリューションの開発、またはそれらの受託業務を行っています。次世代シーケンサーにより得られるエピゲノムデータの他、ゲノムやトランスクリプトーム、メタゲノムデータを組み合わせた統合的なデータ解析により、細胞制御の詳細なメカニズムの予測や精度の高いマーカーの探索を行います。また、エピゲノム研究開発のリーディングカンパニーを目指し、統合的データ解析用パイプラインの社内構築を行う一方、エピゲノム研究のさらなる普及のため、次世代シーケンサー解析環境の社外への提供も行っています。

会社名株式会社Rhelixa(レリクサ)
設立年月日2015年2月
本社東京都千代田区神田三崎町2-2-14 BRICK GATE 水道橋 2階
代表者松野 智行
事業内容ゲノミクス・エピジェネティクス研究のコンサルティングサービスおよびエピゲノムデータを活用した事業開発。
HPhttps://www.rhelixa.com/wp-corporate

■ 国立遺伝学研究所について
国立遺伝学研究所は遺伝学の中核機関として、遺伝学の先端的研究、遺伝資源の保存と利用、遺伝情報データベースの整備と利用、を基盤とした高度な教育と人材育成などを行っている大学共同利用機関です。遺伝学に関する幅広い分野で独創的な研究を推進し、DNAデータバンク(DDBJ)、実験生物系統の分与、先端ゲノミクス事業等の研究基盤を整備して、学術コミュニティーに貢献しています。また、教育・人材育成では学生数に対する教員数の多さを活かした大学院教育を行うとともに、有望な若手研究者に新しい分野を開拓させるため新分野創造センターを設置、将来を見据えた体制を構築しています。

研究所名大学共同利用機関法人情報・システム研究機構 国立遺伝学研究所
設立年月日1949年6月1日
所在地静岡県三島市谷田1111
所長花岡文雄
HPhttps://www.nig.ac.jp/