株式会社Rhelixa(本社:東京都中央区、代表取締役社長:仲木 竜)が、DNAメチル化解析をはじめとしたデータ解析を通じて関わった犬の消化管リンパ腫に関する研究の成果が、国際学術誌「PLOS One」に掲載されました。
本研究は、北海道大学やKDDI総合研究所などとの共同研究として実施され、血液を用いてリンパ腫の有無を見分ける新たな手法の可能性を示したものです。
研究概要
本研究では、犬の血液中のDNAメチル化情報に着目し、リンパ腫であるかどうかを見分けることができるかを検証しました。DNAメチル化は、DNAに記録される化学的な変化であり、病気や体の状態によって変化することが知られています。
これまで、リンパ腫の診断には体の一部を採取する検査が必要となる場合があり、動物への負担が課題となることもありました。そこで本研究では、血液という比較的負担の少ない方法で得られるDNAメチル化情報を用い、リンパ腫と診断された犬と健康な犬の間で、その違いを網羅的に解析しました。
研究内容と成果
本研究では、犬の血液から得られるDNAメチル化情報をもとに、リンパ腫であるかどうかを見分けることができるかを検証しました。具体的に、リンパ腫と診断された犬20例と、リンパ腫ではない犬19例の血液を対象に比較解析を行っています。
その結果、両者の間でDNAメチル化の状態に違いが見られる領域が複数確認されました。これらの違いをもとに判定モデルを構築したところ、リンパ腫であるかどうかを約80〜90%の精度で見分けられる可能性が示されました。
また、単一のDNAメチル化指標だけで判定する方法に加え、複数の指標を組み合わせた方法についても検証が行われ、複数の情報を組み合わせることで、より安定した判定が可能となることが確認されています。
これらの結果から、血液中のDNAメチル化情報を用いることで、リンパ腫の有無を判断するための有用な手がかりが得られる可能性が示されました。
今後の展開
今回の成果は、これまで身体への負担が大きかった検査に対して、より負担の少ない方法でリンパ腫の有無を把握できる可能性を示すものです。今後は、このような血液を用いた手法をさらに発展させることで、病気の早期発見や経過観察、治療効果の評価を行うための新たな手段としての活用が期待されます。
また、今回得られた知見をもとに、より少ない情報で効率的に判定可能な手法の開発や、他の疾患への応用も視野に入れています。こうした取り組みを通じて、動物医療の現場における継続的かつ負担の少ない健康管理の実現に貢献してまいります。
掲載論文
◉ 題名:Exploring DNA methylation profiles in blood samples of canine gastrointestinal lymphoma
◉ 著者名: Nakamura M, Matsumoto Y, Nagata M, Yasuda K, Yonekawa K, Muramatsu S, 他
◉ 掲載誌:PLOS One
◉ 掲載日:2025年12月30日
◉ DOI:10.1371/journal.pone.0339388
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株式会社Rhelixa(レリクサ)について
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